木曽川水系連絡導水路の建設予定地。右は木曽川。左は長良川 (先月19日、岐阜県海津市で、本社ヘリから) =中根新太郎撮影 ![]() 木曽川水系連絡導水路の水の流れ ![]() ![]() | 長良川河口堰 改めて環境調査 中部整備局 徳山ダム新導水路計画受け http://chubu.yomiuri.co.jp/news_top/071009_2.htm 国土交通省中部地方整備局は、長良川河口堰(ぜき)(三重県桑名市)の水利用による環境への影響などを改めて調査するため、近く学識経験者による検討会を 設置する。同河口堰を巡っては、愛知県や名古屋市が徳山ダム(岐阜県揖斐川町)からの導水と一体的な利水を要望しており、堰建設当時に想定しなかった利水 が行われる可能性が出てきた。このため検討会では、取水する場所などによって、水質や生物にどんな影響が出るかを調査する。 同河口堰は 毎秒22.5トンの開発水量が設定され、1995年7月に本格運用が始まった。しかし、愛知、三重県と名古屋市が利水を予定している大部分は未利用のまま で、実際に使用しているのは知多半島の水道水約2.9トンと三重県の水道水約0.8トンにとどまっている。残りは渇水時の使用や将来の需要増を見込んでい るものの、現時点では水を取水口まで引くための施設が設置されていない。 水の需要が伸びない中、河口堰専用に新たな取水施設を 造るのは経済的負担が大きく困難だ。そこで愛知県と名古屋市は今年1月、徳山ダムの水を愛知県の都市用水や木曽川の渇水対策などに利用する「木曽川水系連 絡導水路」を活用し、河口堰の水も流せるよう同整備局に要望した。 連絡導水路は、揖斐川町の揖斐川上流部から岐阜県坂祝町の木曽川まで 建設されるが、最大毎秒20トンの水の一部4・7トンを途中の岐阜市で長良川に流し、さらに堰上流部の同県海津市と羽島市の境界付近にも連絡導水路を設置 し木曽川に導く計画で、8月に東海3県と名古屋市などが合意。これまで木曽3川にそれぞれ流れていた水を、上流のダムも含め一体的に利用しようというもの だ。 愛知県などは、この連絡導水路を活用して「河口堰の水」を利用したい意向だが、堰のすぐ上部で取水する建設当時の想定とは、条件が異なることになる。 河口堰を巡っては、運用開始翌年の96年には、水不足が続き、岐阜県海津町(当時)の長良川から羽島市の木曽川間2.1キロに緊急導水管やポンプを仮設、 水を木曽川に流そうとしたほか、2005年にも同様の対策を検討したことがある。検討会は水理学や生物学の専門家ら数人の学識経験者で構成。河口堰の水を 取水するために木曽川まで導水する際に、水質や川にすむアユなどの生物に与える影響を調査する予定だ。 (2007年10月9日 読売新聞) |