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七隈線延伸 キャナル経由に採算性 福岡市試算 開業6年で黒字化
2009年9月19日 06:32 カテゴリー:政治 九州 > 福岡
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/122974

  福岡市が市営地下鉄七隈線(天神南‐橋本)の延伸4ルート案について行った事業採算性の試算が18日、明らかになった。このうち天神南駅から大型商業施設 「キャナルシティ博多」を経由し、JR博多駅を結ぶ「新ルート」は、開業6年後に単年度損益(延伸区間)が黒字化。空港、箱崎線を含む地下鉄全線の累積損 益に与える改善効果も40年間に100億円のプラスとなるなど、「現時点では実現可能性が高い」としている。


 市はパーソントリップ(沿線住民の主要交通手段)調査や沿線人口の増減などを踏まえ、新ルート▽博多駅ルート▽ウオーターフロント(WF)ルート(1)▽WFルート(2)‐の4つについて事業採算性を算出した。

  最も採算性が高かった新ルートに次いで、単年度損益の黒字化は、博多駅(開業26年後)、WF(1)(同50年後)、WF(2)(同64年後)の順だっ た。建設費などの償還も含めた延伸区間の累積黒字化に要する期間も、採算性の目安とされる40年以内に達成できるのは新ルートの12年だけ。博多駅が52 年、WF(1)と(2)が70年以上となった。

 七隈線の「新長期収支見通し」では、天神南‐橋本間の累積黒字化は2069年度。新ルートで延伸した場合は、七隈線全体の黒字化が27年、前倒しされる。博多駅の場合は17年の前倒し、WF(1)、(2)では効果はなかったという。

 空港、箱崎線を加えた市営地下鉄全線の収支でみると、開業40年間でプラス効果が期待できるのは新ルートだけ。博多駅は100億円、WF(1)は300億円、WF(2)は400億円と、それぞれマイナスだった。

 市交通局は「延伸区間の採算性と、地下鉄全線の経営改善効果の双方を満たすのは新ルートだけ」と分析。25日の市議会交通対策特別委員会で内容を報告する。

 七隈線をめぐり、福岡市は今春、これまで26年度としていた天神南‐橋本間の累積黒字化が43年間ずれ込み、単年度黒字化も14年間遅れ29年度と、それぞれ大幅修正した新長期収支見通しを出していた。

=2009/09/19付 西日本新聞朝刊= inserted by FC2 system