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風力発電及び下げしろ対策・ 周波数変動対策,広域送電対策など

その1,
1.概要 2.周波数変動対策 3.広域送電対策(北本連系増強) 4.東北電力の取り組み
5.北海道・東北・東京電力による送電の実証実験  6.中西日本に於ける取組

その2.洋上風力  その3.日本に於ける風力発電導入量推移など その4.電発の風力発電所



1.概要

●大きく分けて陸上風力発電と洋上風力発電がある。
大きな違いはその稼働率であり,陸上では20%程なのに対して,より強い風がより安定して吹く洋上では30%程に上がる。
勿論洋上の方が建設コストが掛かるのでそうでなければ収益性が落ちてしまう。。

●稼働率の変動は連系可能量に特に中小規模の電力会社には制限が有りその緩和が課題となる。

電力各社の風力発電連系可能量と既連系量(MW)
電力会社
連系可能量
(2011.9末現在)
既連系量
(2011.3末現在)
今後のプロジェクト等で
可能になる(予定)量
その他・備考
北海道
360(2011.8)
276
560(+200)
北海道→東京送電実証実験による
東北
1580
500→1510(2013.3末)
2000(+420)
東北電力の蓄積データによる技術的検討による
東京

357


中部

211


北陸
250
146
450(+200)
中西日本の風力発電容量拡大への取組(第一陣)による
関西

81

関西余裕有る(=可能量が─印)のに既連系量すくなっ!
中国
620
299


四国
250
166
450(+200)
中西日本の風力発電容量拡大への取組(第一陣)による
九州
1000
331


沖縄
25
14


合計
4085
2381
5085(5.1GW)(+1020)

出典:http://www.rikuden.co.jp/press/attach/11122201.pdfなどより作成

原子力偏重の関電は再稼働の必要性で苦しんでいるが,地熱発電も適地が存在しないばかりか風力発電開発も進まず発電量が増えない(→高コストの石油火力のフル稼働を強いられる)傾向にあるのかも知れぬ。
古くは黒四の建設や,その後の原子力開発への果敢な投資などイケイケの関西企業らしい社風を活かし次世代のエネルギーでも先鞭をつけて欲しいところ。

●風力発電の大きな問題点として低周波騒音公害問題があり,また環境問題として渡り鳥などの衝突がある。
低周波は人体には直接体感できないものの障子などを振動させることによって苛々を惹き起こすようである。発電所からの距離と云うより個別対応が鍵になりそうである。
また風力の予測が難しく安定的な発電が出来ずに撤退するケースや風車の落雷などによる破損落下事故なども発生している。

●世界的にも導入が進んでいる。
日本は寧ろ遅れている状況。

世界累計設置容量(2010年)
順位
国名
容量 (GW)
その他・ 備考

中国
42.3


米国
40.2
新規原発設置停止中

独逸
27.2
国内需要の8%を風力が占める

スペイン
20.7


印度
13.1


イタリア
5.8


フランス
5.7


英国
5.2


カナダ
4.0

10
デンマーク
3.8
国内需要の20%を供給。2025年には50%以上を目標

その他
26.5
日本:2.5GW(2011年末>>949)

世界全体
194.4

出典:ウィ キペディア

米中独西が突出しているけど周波数変動対策はどうなってんのかねぇ?いずれも系統全体に占める割合は大したことない(独西はEUで全体とみる)と云うこと か?

ドイツでは風力発電の導入が進み日本の発電に対する自然エネルギー比率0.5%に対してドイツでは風力発電が8%を占めその発電の不安定性が系統接続(連 系)している近隣諸国へも影響を与えるまでになって配電を調整する機器が取り付けられたとのこと(ソー ス)またドイツ北部のバルト海沿岸の風力発電地帯からドイツ南部への送電罔(もう)の建設が環境等の反対で滞っているのも問題のようである。
但しwikiに 拠るとEU全体で2005年現在で3%,2020年には13%を風力で補う見込みであり,デンマークでは既に国全体の電力需要の20%が風力で賄えてお り,2025年には50%にする予定とのこと。

EU内では互いに系統連系するフランスが原子力偏重でベース電源を担い,イギリスやデンマークが風力,スペインが風力と太陽光と棲み分けをして相互補完的 な仕組みを取っている様である。
国内で完結する日本が脱原発のドイツだけとか自然エネルギーのスペインだけ真似してみても意味が無いと云う事を示唆している。


日本風力発電協会の予測によると、2010年度に2440MWだった風力発電の規模は2020年度までに5倍近い1130万kW(1万1300MW=11.3GW)に拡大する(図2)。その 後は陸上に加えて洋上の風力発電が急速に伸びて、2050年度には陸上と洋上を合わせて5000万kW(=50GW)に到達するロードマップが描かれている。この規模は 原子力発電の年間の発電量の15~20基分。>>983-984
これを実現するには今の連系余力(東電・中電・関電以外の電力会社の合計5.1GW)の最大10倍の送電罔容量を整備しなければならない。。(東電や中電や関電にも立地出来ればそんなに要らない。)
勿論,風任せで出力の変動する風力発電と一旦稼働すると安定的に出力しっぱなしで運用されることが多い(原発大国フランスでは調整が行われているそうな)原発では性質が異なるので単純に代替できる訳ではない。




2.実証実験  



「再生可能エネルギー導入のための蓄電池制御等実証モデル事業」

2013年04月02日 15時00分 更新
90億円かけて太陽光や風力の出力安定化へ、全国8地域で実験開始
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1304/02/news029.html

環境省2012年度の補正予算で実施する「再生可能エネルギー導入のための蓄電池制御等実証モデル事業」の対象プロジェクトが決まった。青森県の六ヶ所村から鹿児島県の与論島まで8つの地域で、太陽光発電や風力発電の出力変動を大型の蓄電池で抑制する実験が始まる。
[石田雅也,スマートジャパン]
 国内で再生可能エネルギーを推進する立場の環境省が90億円の予算を使って大規模な実証実験を開始する。太陽光発電や風力発電で大きな問題になる出力の変動を抑制するために、大型の蓄電池を使って変動分を吸収する試みだ。全国8地域を対象にした6つのプロジェクトを選び、2018年度まで4年間かけて実験を続ける。良好な結果が得られれば、太陽光発電や風力発電の普及に弾みがつく。

 環境省が選定した6つのプロジェクトは青森県と秋田県の風力発電所、大阪府の太陽光発電所、さらに九州の離島を対象にした実験プロジェクトが3つ含まれている(図1)。このうち特に規模が大きいのは青森県六ケ所村と九州電力の離島における実験だ。

図1 蓄電池制御等実証モデル事業の採択案件。出典:環境省
事業団体名
事業名
蓄電池の種類
規模
出力/容量
接続する再生可能エネルギー
事業実施場所
六ヶ所村風力開発(株)
六ヶ所村風力発電所蓄電池併設による出力抑制事業
NAS電池
10MW/60MWh
風力発電+太陽光発電
青森県上北郡六ヶ所村
(株)風の王国・男鹿
風の王国風力・太陽光発電事業
鉛蓄電池
2.7MW/6.9MWh
風力発電+太陽光発電 秋田県男鹿市船越
住友商事(株)
再生可能エネルギー導入促進の為の,夢洲に於ける経済性の高い蓄電池システムの実証
リユーズEV電池
0.5MW/0.4MWh
太陽光発電 大阪市此花区
九州電力(株)
離島に於ける再生可能エネルギー
リチウム電池
8.5MW/8.5MWh
風力発電+太陽光発電 対馬市(長崎県)・種子島(鹿児島県)・奄美大島(鹿児島県)→参照
(株)JCサービス
離島での大型蓄電池導入による太陽光発電の導入量拡大及び防災型電源ネットワークシステム構築実証モデル事業
鉛蓄電池
0.6MW/0.6MWh
太陽光発電 徳之島(鹿児島県)
医療法人 龍美会
与論島風力発電と太陽光発電の変動抑制用蓄電池制馭実証事業
リチウム電池
1.0MW/0.89MWh
風力発電+太陽光発電 与論島(沖縄県)

 九州電力は長崎県の対馬のほか、鹿児島県の種子島と奄美大島で同様の実験を実施する。それぞれの島内に2~3.5MW(メガワット)の大型蓄電池を設置して、太陽光発電所や風力発電所から送られてくる電力を制御する仕組みになる。

 特に離島の場合は電力の需要が小さいために、太陽光発電や風力発電の出力変動による影響が相対的に大きく、その結果として電力の周波数が不安定になりやすい。出力の変動分を蓄電池で吸収することによって、電力を安定化させることができる(図2)。

図2 太陽光発電の出力変動を抑制するイメージ。出典:九州電力

 一方の六ヶ所村では大規模な風力発電所が3か所で稼働している。その中のひとつである「六ヶ所村風力発電所」(33MW)に、10MWの蓄電池を併設して出力の安定化を図る。

 すでに六ヶ所村では2010年9月から2年間かけて「六ヶ所村スマートグリッド実証実験」に取り組んだ経験がある(図3)。村内にある別の「六ヶ所村二又風力発電所」(51MW)34MWの蓄電池を設置して、出力制御の実験を実施してきた。

 今回は新たに近隣の太陽光発電所からの電力を加えて、風力とのハイブリッド発電の状態でも出力を一定にした送電を試みる予定だ。さらに停電時に風力発電所を独立に稼働させる「自立運転」の手法を確立することも目指す。

図3 「六ヶ所村スマートグリッド実証実験」の概要。出典:日本風力開発、トヨタ自動車、パナソニック、日立製作所

2014年03月17日 09時00分 更新
離島のエネルギーを蓄電池に、太陽光と風力による電力を吸収
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1403/17/news025.html

気象の影響を受けやすい太陽光と風力による発電設備が増えると、地域の電力供給システムが不安定になる可能性がある。特に送電設備の規模が小さい離島で問題になる。長崎県と鹿児島県の3つの島で、大型の蓄電池を使って電力の変動を抑制する試みが始まった。
[石田雅也,スマートジャパン]

 九州電力が環境省による「再生可能エネルギー導入のための蓄電池制御等実証モデル事業」の1つとして実証実験に取り組む。実施する場所は長崎県の対馬のほか、鹿児島県の種子島と奄美大島を加えた3カ所である。

 3つの島それぞれに出力が2~3.5MW(メガワット)の大型蓄電池を変電所の構内に設置した(図1)。島内で稼働する発電設備からの電力を蓄電池で受 けて、蓄電・放電を繰り返しながら電力を安定化させる。2016年度までの3年間の実証実験を通じて、蓄電池の最適な制御方法などを確立することが目的 だ。

図1 実証実験の概要。出典:九州電力

設置設備
設置場所
長崎県
対馬
リチウムイオン電池
(出力:3.5MW,容量:1.43MWh)
九電豊玉変電所構内
(長崎県対馬市豊玉町)
鹿児島県
種子島
リチウムイオン電池
(出力:3.0MW,容量:1.161MWh)
九電中種子変電所構内
(鹿児島県熊毛郡中種子町)
鹿児島県
奄美大島
リチウムイオン電池
(出力:2.0MW,容量:0.774MWh)
九電竜鄕変電所構内
(鹿児島県大島郡龍鄕町)

 太陽光と風力による発電設備は気象条件によって出力が上下する。その変動量が大きくなり過ぎると、送電する電力の周波数に影響を及ぼして不安定にさせて しまう。再生可能エネルギーを拡大するうえで問題点の1つに挙げられている。特に送電設備の規模が小さい離島や、太陽光と風力の発電設備が急増している北 海道と東北で対策が必要になっている。

 九州電力が3つの島の変電所に設置した蓄電池はリチウムイオン電池を内蔵した大型のシステムである。最も規模が大きい対馬の蓄電池システムは2棟の建屋の中に、リチウムイオン電池ユニットを7セット収容した(図2)。


図2 対馬に建設した蓄電池システムの収納建屋(左)と設備の配置(右)。出典:九州電力
 1つのリチウムイオン電池ユニットで204kWhの蓄電容量があり、システム全体では1430kWhになる(図3)。この蓄電池システムから最大 3.5MWの電力を供給することが可能で、発電設備から送られてくる電力を吸収して出力を安定させることができる。九州電力の想定では、太陽光と風力を合 わせて9MW程度までの発電設備に対応できる見込みだ。


図3 対馬に導入したリチウムイオン電池ユニットの構成。出典:九州電力
 すでに九州電力は長崎県の壱岐でも、2013年3月に同様の実証実験を開始した。このほか沖縄電力が宮古島で2010年から実証実験を続けて成果を上げている。さらに北海道電力と東北電力が超大型の蓄電池システムを使った実証実験を2015年度から開始する予定である。






2013年08月02日 11時00分 更新
電力供給サービス:
巨大な蓄電池を北海道と東北の変電所に導入、太陽光や風力の出力変動に対応
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1308/02/news015.html
総額296億円の国家予算で実施する「大型蓄電システム緊急実証事業」の対象が2件に決まった。北海道電力と東北電力がそれぞれ1カ所の変電所に大型蓄電 池を導入して、太陽光や風力発電設備からの出力変動に対応できる技術を5年間かけて検証する。
[石田雅也,スマートジャパン]
 このまま北海道で大規模なメガソーラーや風力発電設備が増えていくと、送配電ネットワークが電力を受け入れられなくなってしまう。こんなショッキングな 事実を経済産業省が発表したのは4カ月前のことである。
 その際に緊急対策として総額296億円の予算を確保して、大型蓄電池を使った実証試験に取り組むことも表明した。このほど実証試験の対象が2件に決ま り、導入する蓄電池の仕様や設置する変電所の場所が公表された(図1)。
テーマ
事業者
種類
規模
設置場所
(1)実証テーマA
周波数変動対策
東北電力
リチウムイオン電池+火力発電制馭
2万kWh
西仙台変電所
(2)実証テーマB
下げしろ対策+周波数変動対策
北海道電力
住友電工
(共同申請)
レドックスフロー電池
6万kWh
南早来変電所
図1 「大型蓄電システム緊急実証事業」の実施概要。出典:経済産業省

 1件目は東北電力が宮城県の「西仙台変電所」で実施する。蓄電容量が2万kWhのリチウムイオン電池を設置して、太陽光発電や風力発電の出力変動に伴っ て生じる送電時の周波数変動を抑制するシステムを開発する。

 2件目は北海道電力が住友電気工業と共同で、南部の「南早来(みなみはやきた)変電所」に6万kWhの巨大なレドックスフロー電池を設置する。周波数変 動対策に加えて、出力が減少した場合の下げしろ対策にも取り組む。

 いずれの実証試験でも大型の蓄電池を使って大量の電気を蓄えながら、太陽光や風力からの出力が下がると電力を放出して周波数を安定させる試みだ(図 2)。ちなみに電気自動車の「リーフ」に搭載しているリチウムイオン電池の容量は24kWhで、北海道の変電所に導入するレドックスフロー電池はリーフ 2500台分に相当する。

図2 大型蓄電池を使った太陽光・風力発電の出力変動対策。出典:北海道電力、住友電気工業

 レドックスフロー電池は電気を蓄えるセルスタックと電解液タンクを組み合わせた大規模な蓄電池である。電解液を循環させて充放電する方式のために、安全 性が高くて寿命が長い。
 2013~14年度の2年間で設備を建設して、2015~17年度の3年間で出力変動対策の実証試験を進める計画だ。

 一方、東北電力は蓄電池のほかに火力発電機を組み合わせて、周波数を制御するシステムを開発する。地域内のメガソーラーや風力発電設備の出力を指令所で 監視しながら、蓄電池と火力発電機を制御して周波数を安定させる(図4)。北海道と同様に最初の2年間で設備工事を完了して、残りの3年間で実証試験を実 施する予定だ。


図4 蓄電池と火力発電機を組み合わせた周波数調整の仕組み。出典:東北電力



3.北本連系増強問題  
北本連系に関してはwiki (>>2181)参照

また道新に詳しい記事あり。

北本連系はどんな設備? 本州と60万キロワット送受電
http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/2012setsuden_winter/179064.html

   電力が不足しそうになった時、北海道と本州を結ぶ海底送電ケーブル「北本(きたほん)連系」を使って、本州から電気を送ってもらうこともできるでしょう。 どんな設備なのか、詳しく教えて。
   北海道電力が本州との送受電に使える唯一の設備で、電力卸大手の電源開発(Jパワー、東京)が所有している。2系統(各30万キロワット)あり、最大60 万キロワットまでやりとりできる。道内も本州も、陸上では交流で送電が行われているが、北本連系では、交流をいったん直流に変換して送電している。長距離 海底ケーブルの場合、直流にした方が設備投資が小さくてすむためだ。ケーブルはこれまで3本だったが、新たに敷設した予備ケーブル1本が12月から使える ようになる。

 
  2系統あるのに、ケーブルは奇数の3本だったの。
   その通りなんだ。電気にはプラスとマイナスがあるから、例えば乾電池に豆電球をつなぐ時のように、通常は1系統で2本のケーブルを使う。そうすると、2系 統なら4本のケーブルが必要な気がするよね。ところが技術的には、ケーブルが3本あれば、うち1本を二つの系統で共有することで、4本あるのと同じ効果を 出すことができるんだ。3本で済めばコストを安くできる。

緊 急用に温存
   どうして予備ケーブルを敷設したの。
   これまでは、3本のうち1本が故障すると、1系統が使えなくなり、やりとりできる電力量が30万キロワットに半減していた。実際、今年1月には、ケーブル に船のいかりが引っかかって損傷し、4月まで1系統が使えなくなるトラブルが起きた。予備ケーブルがあれば、故障したケーブルと切り替えて使うことができ るので、供給の安定性が増す。
   ケーブルが4本に増えたなら、その分、やりとりできる電力量は増えないの。
   残念ながら、それだけでは増えないんだ。北本連系で電気をやりとりするには、海底ケーブルだけでなく、ケーブルにつながる陸上の送電線や、交流と直流の変 換を行う設備(変換所)などが必要だ。これら設備全体の能力を上げないと、やりとりできる電力量は増やせない。

   今冬(2012年11月の記事)の節電では、北本連系をどのように活用するの。
   北電は、平常時はなるべく北本連系を使わず、火力発電所で大規模な計画外停止が起きるなどの緊急時に活用するため、能力を温存しておきたいと説明してい る。このため、来年2月の最大供給力見通し596万キロワットの中に、北本連系分は4万キロワットしか織り込まれていないんだ。ただ、北電は現在、自家発 電設備を持つ本州企業から、北本連系を通じて最大約3万キロワットを買い取る方向で調整している。契約がまとまれば、来年2月の最大供給力は3万キロワッ ト増の599万キロワット(うち北本連系分は7万キロワット)となる可能性がある。


北本連系増強に関しては北海道電力のニュースリリースがある。
http://www.hepco.co.jp/info/2013/__icsFiles/afieldfile/2013/07/31/130731_2.pdf

1.送電容量 30万kW
2.送電電圧 250kV(直流)
3.送電亘長 約122km
4.工程 2014年4月着工・2019年3月運用開始予定

概略系統図


4.東北電力の取組み   

風力発電導入拡大に向けた取組み
出典:東北電力

東北電力は,同社電力系統に連系している風力発電の実績データに基づき、国の「風力発電系統連系対策小委員会中間報告書」に沿った検討方法により技術検討 を行い、蓄電池等による変動対策が不要な通常型の風力発電については85万kW(850MW),蓄電池等により変動対策を条件とした出力変動緩和制御型に ついては33万kW(330MW)とし、合計118万kW(1180MW)を導入上限と評価してきた。

そこで平成24年7月(2012年)に再生可能エネルギーの固定価格買取制度(以下、FIT法という。)が施行されその立法趣旨を踏まえ、さらなる連系拡大に向けて技術検討を進めた。
技術的課題は以下の2点

【課題①】風力発電の短時間に小刻みに生じる出力変動※1が、系統の調整力で吸収できる範囲を超過する
【課題②】風力発電の緩やかに変化する大きな出力変動※1よって、系統の供給力が需要規模を超過する(「下げ代不足」※2と云う)

※1 風力発電の出力変動
 風力発電の出力は風速や風向によって変動しるが、その変動は、図3に示すように「小刻みに生じる出力変
動」と「緩やかに変化する大きな出力変動」に分解可能。
 技術検討では、電力系統の調整力がそれぞれの変動に対して対応可能であることを確認する。

※2 下げ代不足
日々の需給運用において、夜間等の需要が小さな軽負荷時に制御可能な下げ方向の調整余力を下げ代と呼ぶ。
5月などの軽負荷期の夜間帯等には、下げ代が少なくなるので、この時間帯に風力発電の出力が増加して発電過剰の状態になると、風力発電を出力抑制して、需要と供給のバランスをあわせる必要がある。

課題①に関して過去10年に亘り東北電力が蓄積してきた風力発電の出力実績データの分析結果にもとづき、風力発電が連系拡大した際に期待できる平滑化効果 (確率的に均される効果)の進展を反映した結果,同社管内トータルで200万kW(2000MW)程度の連系が可能な見通しが得られた。

課題②についても、再生可能エネルギーの固定価格買取制度により風力発電の出力抑制が年間30日を上限として認められたことから「連系線を活用した実証試 験」分の40万kW(400MW)を含めて200万kW(2000MW) 程度に連系拡大した状況においても対応できると考えているとのこと。

以上の結果から、この度、風力発電の受付を200万kW(2000MW)迄拡大する事が可能となった。
 これらの風力発電の連系拡大に向けた取り組みにより、平成25年3月末(2013年)時点で54万kW程度(「出力一定制御型風力発電」約5万kWを含めると59万 kW程度)の風力発電が連系済であり、2013年の時点での連系予定を含めると合計で151万kW(1510MW)程度まで連系が進む見通しが得られており(即ち 現時点で申請残が既に連系の導入上限を上回っていた様だ),残りの余裕枠は50万kW(500MW)程となっている(→連系に余裕がなくて出力抑えられて いる松尾八幡平地熱発電に余裕分を回せよなぁ・・)。

http://www.tohoku-epco.co.jp/oshirase/newene/04/pdf/h25_02.pdf


5.北海道電力・東北電力・東電による実証実験

2012年10月01日 13時00分 更新
自然エネルギー:
200MWまでの風力発電を連係、北海道から東京へ送電可能に
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1210/01/news017.html
[石田雅也,スマートジャパン]

 すでに北海道は全国の都道府県の中でも風力発電所の数が群を抜いて多く、さらに大規模な建設計画が目白押しの状態にある。広くて風の強い場所が数多くあるためで、今後ますます風力発電による電力供給が盛んになっていくことは確実だ。
 ところが問題は、風の強さによって発電する電力量が大幅に変動してしまうため、その変動幅を電力会社の送配電ネットワークで調整できなくなる可能性がある。そうなると、せっかく発電した電力を利用できなくなってしまう。
 そこで北海道電力は風力発電による電力を東京電力のネットワークに送電するための実証実験を開始することにした。風力発電所からの電力量に応じて、まず 東北電力との間にある連係線を使って東北へ電力を送り、さらに東北の需給状況によって東京へ電力を送る(図1)。それでも電力が多くなる場合には、北海道 と東北にある風力発電所の出力を制御する。

図1 北海道電力と東京電力による実証実験の全体像。出典:北海道電力
 東京電力が販売する電力量は北海道電力の約10倍、東北電力の約4倍あるため、それだけ電力量を調整できる幅が広い。北海道や東北で消費できない電力を 吸収できる余地が大きいわけだ。北海道で再生可能エネルギーによって発電した電力を、大量消費地の東京で有効活用できることになる。

 北海道電力は合計200MW(メガワット)までの風力発電を対象に、2016年3月まで実証実験を続ける予定だ。その対象として建設計画中の5つの風力 発電所を選定した(図2)。5か所の合計で136.5MWになり、さらに新しい風力発電所も追加する。2011年8月の時点で北海道電力が送配電できる風 力発電の許容量は360MWで、新たに200MWを加えると1.5倍以上の規模になる。

図2 実証実験の対象に決まった5つの風力発電所。出典:北海道電力

6.中西日本に於ける取組み概要
http://www.fepc.or.jp/environment/new_energy/dounyu/

http://www.rikuden.co.jp/press/attach/11122201.pdf
中西日本における風力発電導入拡大に向けた取り組み

 中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力および九州電力の中西日本6社は、相互に協力し地域間連系線を活用した中西日本における風力発電導入 拡大を図ることとしております。まず先行した取り組みとして、今後風力発電の導入が進むと風力発電の出力変動に対する調整力に余裕がなくなる北陸電力およ び四国電力から、系統容量の比較的大きな中部電力および関西電力に電力を送電し、北陸電力および四国電力が必要な調整力を確保することで、中西日本におけ る風力発電の導入拡大を図ることについて、具体的に検討していきます。
 今後も引き続き中西日本6社は、さらなる風力発電導入量拡大に向け、取り組んでいきます。
(2011年12月22日 プレスリリース資料より)

関電の夏場の供給能力を論じる時に(特にサンケイなど二流の原発を再稼働したくて堪らない)マスコミが管内の電気が足りないから外から運んできてやっと辻 褄を合わせた的なニュアンスを匂わせていたが,広域で最適な調整するのは寧ろ当たり前である。特に関西は風力・地熱・水力などの賦存に劣り原発に大いに依 存していた訳だしねー。



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