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水力発電

1.揚水発電 2.一般水力発電 3.中小水力発電所一覧農山漁村電気導入促進法農業農村整備事業栃木県「河川活用サポート事業」富山県の農業用水を利用した中小水力発電

中小水力に関しては主に2種類存在し。一つは地域系と 名付けたが,地域の用水路など小水路に小型の発電機を設置して発電するものである。もう一つは電力会社が既存の発電所を 限界的に拡張したりして余剰水流を有効活用するものである。ここでは電力系と呼ぶことにする。
個人的には使ってなかった水流を有効利用でき,地域の地産地消的なエネルギー循環に非常に潜在的可能性を感じるのであるが,その小規模故にコストがそこそ こ掛かるのが矢張り難点である。。

地域系の問題点は利水権との調整である。これがなかなか導入が進まない一つの理由となっているらしい。もう一つは収益性であり買い取り価格が低すぎるのか も知れない。。詳しくはこちらへ。
電力系はダムの水流維持流量等を利用したりして付加的に発電システムを建設するものである。既存のダム施設と技術者を共用することでコストを抑えられるよ うな体制にしているのであろう。詳しくはこちらで。




1.揚水発電
揚水"発電"と云いながらも実質的には、電力需要・供給 の平準化を狙うダムを用いるいわば巨大な"蓄電池"である。
詰まり出力調整が難しい発電(主に原子力と石炭)からの電力が余っている主に夜間の電力を用いて下池から上池に喞筒で水を吸い上げて電力需要の旺盛な昼間 に上池から下池へ水を流して発電するのである。
これによってピークと オフピークの差を埋めることができ設備利用率の全体的な向上が図れるのである。ピーク時の容量確保が全体の収益率を圧迫する構図は鉄道の混雑時対策と同様 なのである。
また、電力会社はブラックアウトを回避する為に常に変動する電力需要に発電量を調整する必要があるが、揚水式発 電所は短時間での起動・停止が容易であり、負荷に対する追从性も高いため、調整用発電所としても利用される。揚水発電は世界的にも行われているが、電力系 統 が他国から独立し、電力需要のピークとオフピークの差が大きい日本では特に普及した蓄電方法であるとのこと。
今後,自然エネルギー由来の発電の割合が高くなるに連れその重要度も益々上がってくると個人的には思っているのであるが,正しい認識なのかな?もっと小さ い蓄電池を送電罔に組み込む実証実験も始まった様だが,それに比べると揚水発電はでかくて変動調整には大雑把すぎるか?とまれ,自然エネルギーの宝庫の北 海道でも揚水発電の京極発電所の計画が進んでいる様である。
なお100%の揚水電力に対して、70%程度の効率で発電が出来るそうな。wikiの表が纏まっているので転載して加筆して行く。

■日本の揚水発電所一覧
以下は日本に建設された揚水発電所の一覧である。極端に小さい揚水発電所は廃止になったり揚水運用を廃止にする傾向にあるようである。。
貯水能力≒蓄電能力は記述が無いけどどんなもんなんかなぁ・・。
発電所名
認可出力
(MW)
水系
上池
下池
種類
運用開始
所在地
事業者
その他
・備考など
新 冠 200 新 冠川 新 冠ダム 下 新冠ダム 1974 年 北 海道 北 海道電力
高 見 200 静 内川
新冠川
沙 流川
高 見ダム 静 内ダム 1983 年 北 海道 北 海道電力
朱 鞠内 0.88 石 狩川 雨 竜第一ダム 三 股取水堰 2013 年 北 海道 北 海道電力
京 極 -
(600)
尻 別川 (名 称不明) 京 極ダム 2015 年 北 海道 北 海道電力
池 尻川 2.34 関 川 野 尻湖 池 尻川調整池 1934 年 長 野県 東 北電力
沼 沢沼 (43.7) 阿 賀野川 沼 沢湖 宮 下ダム 1952 年 福 島県 東 北電力 第二沼沢に役目を譲り廃止。
日本初の純揚水式発電所。此処(水力ドットコム)にレポあり。
第 二沼沢 460 阿 賀野川 沼 沢湖 宮 下ダム 1982 年 福 島県 東 北電力
矢 木沢 240 利 根川 矢 木沢ダム 須 田貝ダム 1965 年 群 馬県 東 京電力
安 曇 623 信 濃川 奈 川渡ダム 水 殿ダム 1969 年 長 野県 東 京電力
水 殿 245 信 濃川 水 殿ダム 稲 核ダム 1969 年 長 野県 東 京電力
新 高瀬川 1,280 信 濃川 高 瀬ダム 七 倉ダム 1979 年 長 野県 東 京電力
玉 原 1,200 利 根川 玉 原ダム 藤 原ダム 1981 年 群 馬県 東 京電力
今 市 1,050 利 根川 栗 山ダム 今 市ダム 1988 年 栃 木県 東 京電力
塩 原 900 那 珂川 八 汐ダム 蛇 尾川ダム 1994 年 栃 木県 東 京電力
葛 野川 800
(1,600)
相 模川 上 日川ダム 葛 野川ダム 1999 年 山 梨県 東 京電力
神 流川 940
(2,820)
利 根川 南 相木ダム 上 野ダム 2005 年 群 馬県 東 京電力  神流川発電所は、上部ダムと下部ダムと の653メートルの有効落差を利用して、最大出力282万kW(単機47万kW×6台)を発電する揚水式発電所として、平成9年5月より建設工事を開始
H24.6.7に2号機(最大出力47万kW)は、平成17年12月に営業運転を開始した1号機に続く2番目の号機として、計画を1ヶ月程度前倒しして、 営業運転を開始 
神流川発電所は、東電として9番目に運転を開始した揚水式発電所で、ポンプと水車の両方の役割を果たすポンプ水車ランナ(注1)として、1号機において世 界で初めて採用した「スプリッタランナ」(株式会社東芝と共同開発)を2号機につきましても使用。これにより、従来と比べて発電効率が4%程度向上し、単 機2万kWの増出力を実現
> >東電 >>月刊ダ ム日本
畑 薙第一 137 大 井川 畑 薙第一ダム 畑 薙第二ダム 1962 年 静 岡県 中 部電力
高 根第一 340 木 曽川 高 根第一ダム 高 根第二ダム 1969 年 岐 阜県 中 部電力
最 大使用水量 300.00m3/s
有 効落差 135.00m
馬 瀬川第一 288 木 曽川 岩 屋ダム 馬 瀬川第二ダム 1976 年 岐 阜県 中 部電力
最 大使用水量 335.00m3/s
有 効落差 99.60m
奥 矢作第一 315 矢 作川 黒 田ダム 富 永ダム 1980 年 愛 知県 中 部電力 こ の奥矢作第一・第二発電所は矢作川水系に建設された中部電力初の純揚水式発電所です。
ま た、地質的な条件から途中に池を造ることによって2つの発電所を建設し、この2つを常に一体として運用して揚水発電をおこなう世界的にも珍しい二段式揚水 発電所です。第一、第二発電所共に1980年(昭和55年)に各1号機、1981年(昭和56年)に各2号機、3号機がそれぞれ運転を開始しました。


発 電所名 奥 矢作第一 奥 矢作第二
運 転開始 1 号機:1980年9月
2号機・3号機:1981年2月
1 号機:1980年9月
2号機・3号機:1981年2月
出 力 317,000kW 780,000kW
最 大使用水量 234.00m3/s 234.00m3/s
有 効落差 1 号機・2号機 161.30m
3号機 162.10m
404.40m

奥 矢作第二 780 矢 作川 富 永ダム 矢 作ダム 1980 年 愛 知県
奥 美濃 1,500 木 曽川 川 浦ダム 上 大須ダム 1994 年 岐 阜県 中 部電力
運 転開始 1・ 2号機:1994年7月
3・4号機:1995年3月
5・6号機:1995年11月
出 力 1,500,000kW (25万kW×6台)
最 大使用水量 375m3/s
有 効落差 485.75m
小 口川第三 14.5 常 願寺川 祐 延ダム 真 立ダム 1931 年 富 山県 北 陸電力
三 尾 34 木 曽川 牧 尾ダム 木 曽ダム 1963 年 長 野県 関 西電力
喜 撰山 466 淀 川 喜 撰山ダム 天ヶ 瀬ダム 1970 年 京 都府 関 西電力
奥 多々良木 1,930 市 川 黒 川ダム 多 々良木ダム 1974 年 兵 庫県 関 西電力
<位置>
兵庫県朝来市多々良木字灰原156- 1
<発電所>
最大発電出力:1,932MW
最大使用水量:594m3/s
総落差:416m
発電時間:8時間
<運転開始>
1号機:昭和49.6(1974. 6)
2号機:昭和49.7(1974.7)
3号機:昭和50.6(1975.6)
4号機:昭和50.4(1975.4)
5号機:平成10.6(1998.6)
6号機:平成10.4(1998.4)
奥 吉野 1,206 新 宮川 瀬 戸ダム 旭 ダム 1980 年 奈 良県 関 西電力
大 河内 1,280 市 川 太 田ダム 長 谷ダム 1992 年 兵 庫県 関 西電力
新 成羽川 303 高 梁川 新 成羽川ダム 田 原ダム 1968 年 岡 山県 中 国電力
南 原 620 太 田川 明 神ダム 南 原ダム 1976 年 広 島県 中 国電力
俣 野川 1,200 日 野川 土 用ダム 俣 野川ダム 1986 年 鳥 取県 中 国電力
大 森川 12.2 吉 野川 大 森川ダム 長 沢ダム 1959 年 高 知県 四 国電力
穴 内川 12.5 吉 野川 穴 内川ダム 繁 藤ダム 1964 年 高 知県 四 国電力
蔭 平 46.5 那 賀川 小 見野々ダム 長 安口ダム 1968 年 徳 島県 四 国電力
本 川 615 吉 野川 稲 村ダム 大 橋ダム 1982 年 高 知県 四 国電力
諸 塚 50 耳 川 諸 塚ダム 山 須原ダム 1961 年 宮 崎県 九 州電力
大 平 500 球 磨川 内 谷ダム 油 谷ダム 1975 年 熊 本県 九 州電力
天 山 600 松 浦川 天 山ダム 厳 木ダム 1986 年 佐 賀県 九 州電力
小 丸川 1,200 小 丸川 大 瀬内ダム
かなすみダム
石 河内ダム 2007 年 宮 崎県 九 州電力
黒 又川第二 17 信 濃川 黒 又川第二ダム 黒 又川第一ダム 1964 年 新 潟県 電 源開発
池 原 350 熊 野川 池 原ダム 七 色ダム 1964 年 奈 良県 電 源開発
長 野 220 九 頭竜川 九 頭竜ダム 鷲 ダム 1968 年 福 井県 電 源開発
新 豊根 1,125 天 竜川 新 豊根ダム 佐 久間ダム 1972 年 愛 知県 電 源開発
沼 原 675 那 珂川 沼 原ダム 深 山ダム 1973 年 栃 木県 電 源開発
奥 清津 1,000 信 濃川 カッ サダム 二 居ダム 1978 年 新 潟県 電 源開発
 
奥清津発電所
奥清津第二発電 所
所在地
新潟県南魚沼郡湯沢町三国502
 水系及び河川名
信濃川水系清津 川/カッサ 川
 発電方法
ダム水路式(純揚水式)
 最大出力
 100万kw
 60万kw
 台数
4台
 2台
 最大使用水量
 260m3/秒
 154m3/秒
有効落差
 470m
 470m
 着工
 昭和47年5月
 平成4年3月
運転開始
 昭和53年 7月(1号機)
 昭和53年12月(2号機)
 昭和57年7月(3,4号機)

平成8年6月(1,2号機)

奥 清津第二 600 信 濃川 カッ サダム 二 居ダム 1996 年 新 潟県
下 郷 1,000 阿 賀野川 大 内ダム 大 川ダム 1988 年 福 島県 電 源開発
沖 縄やんばる
海水揚水
30 - (名 称不明) 太 平洋 1999 年 沖 縄県 電 源開発
城 山 250 相 模川 本 沢ダム 城 山ダム 1965 年 神 奈川県 神 奈川県企業庁
総電力量
30,106.42







但し(運用)廃止を除き計画を含む
桃色欄は建設中(一部運用開始含む)の揚水発電所。
青色欄は揚水運用を廃止した一般水力発電所。
灰色欄は廃止された発電所。

備考
2011年現在の認可出力をキロワット単位で示す。建設中の発電所について、1台も水車発電機が稼働していない場合は「-」とし、計画されている出力を かっこ内に 示した。また、廃止された発電所については廃止される直前の出力をかっこ内に示した。
「混」は混合揚水を、「純」は純揚水を示す。
発電所としての運用開始年を示す。建設中の発電所について、1台も水車発電機が稼働していない場合は運用開始予定年をかっこ内に示した。
水車発電機が置かれた地点に属する都道府県名を示す。

議論
個人的な関心事にはこの「負荷に対して追从性の高い」,原発と一体の設備とされて反原発派に目の仇にされてしまっている,巨大な蓄電池としての揚水発電シ ステムが,風力及び太陽光発電という自然エネルギーの不安定性をカバー出来る能力を持っているか否かである。。
もし行けるなら維持・強化すればいいし,ダメなら別の大規模蓄電池や各発電システムユニット毎のスマート化など別の方途を模索する必要があるのであろう。
原発や石炭火力と云った滑らかな変動に対する感応性は高そうだけど小刻みの出力に対する平滑化には余り効きそうに無いので其れに関しては少なくとも蓄電池 システムしか有効では無 いのかもしれない。となると数日単位の変動調整とかに有効な量を貯水できるかどうかなんだけど,原発相手に造ったとなると1日単位ぐらいでしか有効な設計 になっていないのかも知れない。


参考文献
Wikipedia 揚水発電


2.一般水力
日本のエース級の水力発電所たち♪
ラ ンキング

発 電所名
出 力
(MW)
場 所
河 川など
最 大使用水量
(㎥/s)
有 効落差
(m)
年 間発電量
(kWh)
運 転開始
年月
所 有者 水 力発電方式
①種 別
②発 電形式
③発 電方式
そ の他・備考
出 力
発 電量


奥只見発 電所
最 大:560
 1~3 号機120*3
 4 号機:200
常 時:52.6
福 島県南会津郡
檜枝岐村
取 水:
袖沢→小屋場沢→本沢→只見川[奥只見 ダム]
 放水:只見川
最 大:387.00
 1~3号機:83.00*3
 4号機:138.00
170.00
 (1~3号機)
164.20
 (4号機)
6億1千万
1953/7:開発決定
1957/2:本工事開始
1960/12/2:運用開始
 (一部湛水開始)
1961/7:ダム完成・本格運用開始
2003/6/7:4号機運用開始

電源開発
①一般水力
②ダム水路式
③貯水池式
東京電力・東北電力に供給


(河川維 持流量分)
最 大:2.7
常 時:2.1

取水:
袖沢→小屋場沢→本沢→只見川[奥只見ダ ム]
放水:只見川
420.00 105.00
1959/5/30:運用開始
①一般水力
②ダム式
③貯水池式


10
田子倉発 電所
最 大:38.5
常 時:22.5
福 島県南会津郡
只見町田子倉
取 水:只見川[田子倉ダム]
放 水:只見川(只見ダム・滝ダム)
最 大:420.00 最 大:105.00 5億9千万
1959/5/30:運用開始 電源開発
①一般水力
②ダム式
③貯水池式



信濃川発 電所
最大:177
常時:112
新潟県中魚沼郡津南町三箇
取水:信濃川[西大滝ダム]
放水:信濃川

109.97
171.133
(水利使用標識、実使用量)
平均:13億
1939/11:運用開始
東京電力
①一般水力
②水路式
③調整池式



新小千谷 発電所(信濃川発電所)





8億5千万

JR東日本




千手発電 所(信濃川発電所)





7億2千万

JR東日本




佐久間発 電所
最大:350
常時:93.7
浜松市天竜区
佐久間町佐久間
取 水:
水窪川、天竜川[佐久間ダム]
放 水:
佐久間第二発電所、天竜川(秋葉ダム)
最大:306.00
常時:117.20
最大:133.49
常時:93.4
平 均:
13億7360万
最高:
18億3000万(1991年)
1953/4/16:着工
1956/4/22or23:運用開始
電源開発
 ①一般水力
②ダム水路式
③貯水池式
東京電力・中部電力に供給


佐久間第 二発電所
最 大:32
常時:11.5
浜松市天竜区
佐久間町佐久間半 場
取 水:佐久間発電所
放 水:天竜川
306.00 12.30
1982/7/1:運用開始
  ①一般水力
②水路式
③流込み式



黒部川第 四発電所
最大:335
常時:88
富山県黒部市
宇奈月温泉

取水:
黒部川[黒部ダム(黒四ダム)]
放水:
新黒部川第三発電所、黒部川第三発電所、黒部川

72.0
545.5
9億3千万
1928:日本電力により予備調査開始
1949:計画
1956:着工
1961/1/15:1,2号機運用開始(154MW)
1962/1/29:1,2号機出力増加(160MW)
1962/8/1:3号機運用開始(234MW)
1963/6/5:竣工
1963/7/16:出力増加(240MW)
1965/9/25:出力増加(252MW)
1969/7/18:出力増加(258MW)
1973/6/18:4号機運用開始(335MW)
2010/4/9:IEEEマイルストーン賞受賞

関西電力
①一般水力
②ダム水路式
③貯水池式



御母衣発 電所
最大:215
常時:49.5
岐阜県大野郡
白川村牧

取水:庄川[御母衣ダム]
放水:庄川

最大:130
常時:38.49
最大:192.10
常時:138.2
平均:5億2千万
1957/6:着工
1961/1/14:運用開始(160MW)
1961/5:出力増加(215MW)
電源開発
①一般水力
②ダム水路式
③貯水池式
奥只見・田子倉と並ぶ当時の電発の三大プロジェクト
天竜川や信濃川みたいに水量ある大河でしかも途中に殆ど無人地帯が無いとダメなようである。
東電信濃川発電所は水路式でベース電源の女王的な感じであるが他でも出来ないのかねぇ。。

この上表を纏めるきっかけとなったのは一部の(例えば気骨の反原発の原子力学者,小出先生辺りが云っている)水力の稼働率をわざわざ落として原発を使って いると云う表現(この辺参照)である。
実際に揚水発電が未だ殆ど無く水力発電が一般水力発電立った頃の稼働率(=発電量÷(定格出力*365*24h)*100)を調べてみると以下のようにな る。

1951 1952 1953 1954 1955 1956 1957 1958 1959 1960 1961 1962 1963 1964 1965 1966
稼働率
61.69% 63.64% 63.17% 62.09%  60.99% 61.65% 62.35% 63.62% 60.75% 51.50% 56.67% 49.45% 51.43% 49.32% 52.40% 53.17%

 1960年を境に稼働率がガクンと下がっているのが判る。
昨今の水力の稼働率は25%とも一般水力だけで40%とも云われるが,こいつらを上げれば良いと云うのである。

しかし調べてみるに,ピークロードをも考慮に入れた巨大ダムである奥只見や田子倉の建設・運用開始で稼働率が急速に下がったと云うのが実際の様である。水力発電は火 力発電と比べ応答性に優れ,やばいと思ったら直ぐに発電できるのが魅力なのだそうな。

从って奥只見以降の水力発電はベース電源供給ではなくピークロード電源の要素をもって建設され,それが稼働率の低さと水力発電のコスト高に繋がって云った と言えるであろう。原発を低コストという欺瞞で推進する為にも巨大のダム工事を伴う水力発電の高コストは都合のよいものだったに違いない。

兎も角つまり近年の(といっても整備されてからだいぶ経つが)水力発電所は発電能力があるが,最大出力でずっと発電できる程の水が川に流れていないようなのである。
と云う訳で,目一杯稼働させれば良いという言説もまたどちらかと言えばトンデモの類の様である。。今日本 に足 りないのはベースロード電源である(ピーク用は原発も停まってしまい殆ど使われない揚水式の能力が有り余っている。。)ので愚直に水力発電能力を増やしてゆくしかないのである。

一時期流行った脱ダムであるが,ベース電源用の安定供給対策としては両立しうるのも重要であろう。地熱発電の他,水路式の中小水力をもっと増やすべく頑 張るべきであろう。

また既存の大規模の一般水力発電所に関しても補助的な流量維持発電で増やしたり,歯車の更新等を通じて地道に出力を強化できるようである。(この辺参照)



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